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和尚のひとりごとNo104「八大地獄」②
和尚のひとりごとNo103に引き続き地獄についてご案内いたします。
等活地獄のつぎの地獄は「黒縄地獄(こくじょうじごく)」です。
黒縄地獄は殺生の罪に加えて盗みの罪を重ねた者が堕ちる地獄です。
黒縄とは板を鋸(のこぎり)で切るときに目じるしとなる線を書くための道具のことです。
この地獄に堕ちると、熱く焼けた縄(黒縄)で身体をぐるぐる巻きにされ、線が引かれます。その線にそって、地獄の獄卒たちが熱く焼けた鋸や鉄の斧などで切り刻まれるといわれています。その苦しみは、等活地獄の10倍であるとされています。
黒縄地獄の寿命は、1000年とされています。黒縄地獄の1日は天の世界のうちの忉利天(とうりてん)の世界の1000年であり、忉利天の1日は人の世界の100年とされています。
黒縄地獄の寿命を人の世界の時間にすると13兆3225億年になります。
黒縄地獄の次は、「衆合地獄(しゅごうじごく)です。
衆合地獄は殺生の罪 盗みの罪に加え、邪淫の罪を犯した者が堕ちる地獄です。
この地獄には、刀葉樹(とうようじゅ)呼ばれる葉が刃(やいば)になっている樹があり、その樹に美しい女性がいるといされています。
その女性は樹の上や下に現れ、ここに堕ちた罪人は、女性の姿を追い求めて、樹の昇り降りを繰り返し、刃の葉で、その身の肉が割かれ(さかれ)、心もずたずたに切り刻まれるといわれています。
その苦しみは、黒縄地獄の10倍だといわれています。
衆合地獄の寿命は、2000歳とされています。衆合地獄の1日は、天の世界のうちの夜摩天(やまてん)の世界の2000年であり、夜摩天の1日は、人の世界の200年とされています。
衆合地獄の寿命を人の世界の時間になおすと、106兆5800億年になります。
地獄の怖い話ばかりだと、憂鬱な気分になってきますので、また別の機会にさせていただきます。
和尚のひとりごとNo103「八大地獄」
和尚のひとりごとNo102に引き続いて地獄について紹介します。
「往生要集」には、地獄は大きく八つに分かれていて、生前に犯した罪の重さによって堕ちる先が変わると、説(と)いています。
最も罪の軽いものが堕ちるところから、「等活(とうかつ)地獄」「黒縄(こくじょう)地獄」「衆合(しゅごう)地獄」「叫喚(きょうかん)地獄」「大叫喚地獄」「焦熱(しょうねつ)地獄」「大焦熱地獄」「無間(むけん)地獄 [又は阿鼻(あび)地獄]」と分かれます。
これらを併せて「八大地獄」と呼びます。
それぞれの地獄について紹介していきます。
「等活地獄」は殺生の罪を犯したものが堕ちる地獄です。
「等活」とは、「等しくよみがえる」という意味です。
この地獄に堕ちると、罪人同士の殺し合いや、地獄の番人たちの責め苦(せめく)が果てしなく続き、たとえ死んだとしてもふたたびよみがえり、また同じ責め苦が繰り返されます。
この地獄に堕ちた罪人の寿命は500歳です。500歳といっても、私たち人の世界の500年では有りません。
天界はいくつもの世界に分かれています。その中で四天王(増長天 持国天 広目天 多聞天 )がいらっしゃる世界が四大王衆天です。
四大王衆天の一日は、私たち人の世界の50年です。その四大王衆天の500年が等活地獄の一日になります。
等活地獄の500年は、人の世界の時間にすると、1兆6653億1250年にもなります。
罪が軽いものが行く「等活地獄」でもこれほどの苦しみを受けるとは、想像を絶します。その他の地獄の苦しみは、どのようなものでしょうか。
次回は、「黒縄(こくじょう)地獄」「衆合(しゅごう)地獄」の紹介です。