Monthly Archives: 12月 2016

和尚のひとりごとNo108「除夜の鐘」

 

皆様、この年の瀬忙しくされているかともいます。

大晦日の夜はいかがお過ごしでしょうか。

 

 大晦日の夜といえば、紅白歌合戦を見て、除夜の鐘を聞く風景が多かったと思います。

その中でも代表的な鐘といえば、知恩院さんの鐘ですね。

僧侶がつくダイナミックな鐘のつき方は、見事なものです。

 

和尚のひとりごともNo108をむかえました。

年末ということもあり、108のつながりで「除夜の鐘」についてご紹介します。

 「除」とは「とり除く」という意味があり、「除夜」とは、「旧年を除く夜」ということです。

「除夜の鐘」はこの1年の煩悩を鐘の音きいて、煩悩を消し去ることです。

 「除夜の鐘」を108回突くのは、煩悩の数が108あるとされているからです。

 煩悩の数が108とは、誰が数えたのでしょうか?

 

よく聞くのが、「四苦八苦」で4×9で36と8×9で72を足して108になるという俗風習の説もありますが、煩悩の数え方はその他にもいくつかあります。

 

その一例を紹介します。

 

煩悩とは、愛着(あいじゃく)、執着(しゅうじゃく)のことで、自分の感情、感覚を意味しています。

 数え方は、人の身体の働きを表す「六根(ろくこん)」(眼  耳  鼻  舌  身  意)がありそれぞれに「好(良い)」「悪(悪い)」「平(どちらでもない)」があります。

これで、6×3の18

人身(じんしん)に入って心に作用する「六塵(ろくじん)」(色  声  香  味  触  法)があり、それぞれに「苦(苦しい)」「楽(楽しい)」「捨(どちらでもない)」があります。

これで6×3で18

 

六根と六塵を足して36になり、人には、「三世」(現在 過去 未来)がありますので36×3で108になります。

 

 煩悩をなくして新年を迎えましょう。

 玉圓寺では、1月1日 9時から4時まで百燈明会(修正会)ご先祖供養を、お勤めをさせていただいています。

清らかな心身(しんしん)で、阿弥陀様 ご先祖様に新年のご挨拶をしましょう。

和尚のひとりごとNo107「喪中の期間」

 

引き続き、喪中についてです。

 

よく質問されますのが、「喪中はいつまでですか、年があけたら終わりですか」などの喪中の期間についてです。

 まず、「喪中」とは、「喪に服する期間」のことで、「服喪期間」とも言います。

 「喪」とは、「人の死後、その近親の者が、一定の期間、外出や社交的な行動を避けて身を慎むこと」です。

故人を静かに偲ぶ期間でもあります。

 喪中の期間は、昭和22年に廃止されるまで、『服忌令(ぶっきりょう)』という法律によって決められていました。

 

現在では、喪中の期間というものは、各々ご自身で決めて頂いてもいいわけですが、一般的には、『服忌令』の期間を参考にして用(もち)いられています。

 『服忌令』による喪中の期間は、亡くなられた人との関係によって変わりますが、現在では、近親者(配偶者 父母 子 祖父母 兄弟姉妹)で13ヶ月とされています。

 一周忌までが喪中になります。

 

余談ですが、『服忌令』は江戸時代 徳川綱吉公によって制定された法律です。また、この法律以外にも、古代日本より公家社会において服忌に関しての法律があったようです。

 しかし、江戸時代の法律が昭和の時代まで使われてたとはびっくりしました。

 

和尚のひとりごとNo106「喪中とお正月」

 12月に入りますと、お正月の準備にとりかかれる方が多いかと思います。

 今年、ご不幸があり喪中の方からお正月の過ごし方について、質問を受けることも多くなります。

 その中でも多い質問に答えていきたいと思います。

 

Q.年賀状はどうしたらいいの?

 A.年内12月初旬に届くように喪中ハガキを出すようにしましょう。

「おめでとうございます」のあいさつは世間一般的にはよくないと思われていますので、年賀状は出さない方が良いでしょう。

年賀状を頂く分には、大丈夫です。頂いた時は、松の内(1月7日)を過ぎてから寒中見舞いのハガキを出すといいでしょう。

 

Q.「あけましておめでとうございます」のあいさつは、どうしたらいいの?

 A.「おめでとうございます」と言わなければ大丈夫なので、「今年もよろしくお願いします。」などのあいさつをしましょう。

 

Q.「門松 しめ縄飾り 鏡餅などの正月飾りは?」

 A.門松、しめ縄飾りや鏡餅は、歳神(としがみ)様をお迎えするために飾るものです。

喪中だからといって、飾ってはいけないということはありませんが、こちらも世間一般的には、よくないとおもわれています。

外に向けて飾るのは、非常識と思われたりしますので、控えたほうがいいかと思います。

内に向けては、つまり、家の中は、鏡餅など飾っても大丈夫です。

 

Q.おせち料理は食べてもいいの?

 A.食べても大丈夫です。

おせち料理は、もともとは、季節の実りを感謝したものでした。

のちに、節句料理となり、五節句(人日、桃、端午、七夕、重陽の節句)に食べられていたものが、お正月に食べられるようになったものです。

おせち料理は食べていただいても大丈夫です。

 

Q.お年玉はあげてもいいの?

A.あげてください。

 お年玉は、お供えした鏡餅を割って皆に配ったことが始まりであるといわれています。

 

Q.初詣にお参りに行ってもいいの?

A.初詣にお参り行っても大丈夫です。

 初詣は、神様 仏様にあたらしい年の挨拶にお参りに行くことです。

 

 

仏様の教えの中で、喪中だからといってお正月にしてはいけないということはありません。

世間一般的に控えたほうが良いとされているだけです。

 ご自身で、「しないほうがいいかな」と気になるようでしたら、控えていただいた方がよいでしょう。

 

それでは、よいお正月をお迎えください。

 

 追伸

玉圓寺では、毎年元旦に、百燈明会(修正会)を、お勤めしています。

一年の計は、元旦からと申しますように、お寺に出向き本堂で手を合わせお勤め(回向)することにより、一年の邪気が飛び、お勤めをされた家は、栄えると言われています。

玉圓寺では、ひと家族様ごとに、個別回向(お勤め)を致しております。

 

百燈明会 1月1日 9時~16時

 

喪中の方は、ぜひお寺にお参りして、ご先祖様のご回向(お勤め)をしてあげて下さい。