和尚のひとりごとNo115「棚経」

 

お盆の季節がきました。お盆のお参りのことを「棚経」といいます。

7月中や8月初旬にお参りさせて頂いている時に「こんなに早くご先祖さまが帰ってくるの」とよく聞かれます。

 

ご先祖さまは僧侶のお経によって帰って来られるわけではありません。お盆の特別な時期だから帰って来られるのです。

棚経(お盆のお勤め)はご先祖さまを特別にご供養するためのお勤めです。

たとえるならば、一年ぶりに帰って来られたご先祖さまへの贈り物だと思って下さい。

みなさまと一緒にするお念仏が、最高の贈り物なのです。

早めにするお盆のお勤めは、贈り物を用意して準備万端で、ご先祖さまが帰って来られるのを、まだかな まだかな と待っているうれしさを表しています。

 

お経には、お盆を7月にすると書かれていて、昔は、7月にお盆をしていました。

明治になって、暦(こよみ)が、旧暦から新暦に変わり、お盆の時期(旧暦7月)が新暦では、8月になるので現在のように、8月にお盆をするようになりました。

しかし、お経にあわせて7月にお盆をするお寺も多いです。

 

お盆での大切な事は帰って来られたご先祖さまを、歓迎してご供養(御接待)させて頂くということです。

 

目には見えませんが、必ず帰ってきてくれています。これが信仰なのです。

どうぞこの日ばかりは、合掌、念仏を申して、ご先祖さまを感じて下さいませ。

南無阿弥陀佛