和尚のひとりごと「伝道掲示板152」
『唯識三十頌』は兄無着とともに唯識思想を大成した世親菩薩が著した。
“謂異熟思量 及了別境識
初阿頼耶識 異熟一切種
不可知執受 處了常與觸
作意受想思 相應唯捨受
是無覆無記 觸等亦如是
恒轉如暴流 阿羅漢位捨”
玄奘三蔵訳より
“謂わく異熟と思量と 及び了別境との識なり
初めのは阿頼耶識なり 異熟なり一切種なり
不可知の執受と 処と了となり常に触と
作意と受と想と思と 相応す唯し捨受のみなり
是れ無覆無記なり 触等も亦是の如し
恒に転ずること暴流の如し 阿羅漢の位に捨す”
阿頼耶識(アーラヤ識)は一切の種子を宿し
そこから一切が生じる根本識。
生成流転の世界はまさにまさに暴流の如く..
世親(ヴァスバンドゥ)の故地プルシャプラの仏教寺院跡
(現在のパキスタンのペシャワール)