和尚のひとりごと「伝道掲示板336」
岸辺に立つ人が声高に叫んでいる。
”楽し気に川の流れを下ることを止めよ
下流で待っているのは
波たち、渦巻く
鰐と恐ろしい夜叉(やしゃ)が潜むよどみである
そのまま下ってゆくことは死を意味するのである”と。
「川の流れ」とは愛欲に溺れる生活である。
「楽し気に下る」とは、自らの身体への執着である。
「波たち」とは憎悪と悩みの生活であり
「渦巻く」とは欲望に溺れる姿である。
「夜叉が潜むよどみ」とは自らなした罪悪によって滅びる人生である。
そして「岸辺に立つ人」とは仏陀のことである。
合掌