和尚のひとりごと「伝道掲示板427」
世の識者と呼ばれる者たちを見よ。
各々が信ずる考えに固執して、自分こそが正しいと主張して、一歩も譲らない。
「私が説くように知る人こそが真理に通達した人である。
これを批難する人々はいまだ不完全な人間である」と。
もし相手の考えを認めない者どもが愚者であり、劣っており、低級な者であり、智慧足らずの者なのならば、
己が考えに固執して他を認めないこれらの人々は、皆が愚者であり、劣っており、低級な者であり、
智慧足らずの者という事になるだろう。
反対に自ら信ずる見解によって、浄らかとなり、真理に通達した、聡明なる人となるのであれば、
これらの者どもの内で優れた知性を持たない者は存在しない事になるだろう。
彼らは各々自分の見解を真理であると見做している。
故に私は彼らをこそ愚者であると言う。
一方的な断定に基づいて己が考えを為し、世の中で言い争うに至る。
全ての哲学的断定を捨てたならば、人は世の中で確執を起すことはもはやない。
『スッタニパータ』