No966「天国」
Q. 「天国へ行く」、との表現をしがちですが仏教でもつかってよいのですか
ご理解頂きたいのは、「天国」と「極楽」はその意味するところが違うという事です。
仏教が目ざすのは悟りを開くこと、そして極楽世界に行けば仏の導きのもと、悟りへと歩みを進めることができると考えます。私たちが志すのは、阿弥陀如来がおわします西方の極楽と呼ばれる仏国土に往生することです。キリスト教でそう呼んでいる「天国」は、神による最後の審判が下された結果、選ばれた人々がそこに迎えられ、永遠の生を手にすることができる世界です。
極楽と天国はこのように異なりますが、仏教で天の国(天界)と呼ぶときは、人間よりも少しだけ優れていて、比較的恵まれた生活を送れる神様たちの世界を指します。しかしこの天界に生まれても、必ず死を迎え、その次に人間などに生まれ変わるのは難しいとも言われています。あまりに恵まれ過ぎていて、大切なことを考える暇がないのかも知れませんね。
※あくまでも「和尚のひとりごと」の見解です。