和尚のひとりごとNo1030「袈裟2」

前回「袈裟1」に引き続き袈裟のご紹介をいたします。
袈裟にも色の規定がある事を皆さまはご存じでしょうか?
古来から袈裟は、五正色(赤・白・青・黄・黒)と五間色(紅・碧・緑・騮黄(りゅうおう)・紫)のような美しい色を避るべきとされていました。では袈裟には具体的にはどのような色が許されたのでしょうか?
伝承により諸説ありますが、壊色(如法色、不正色 ふしょうじき)と呼ばれる青や黒、木蘭色が許容されていたようです。
「木蘭色」とは、木の木蘭の実で染めたわずかに赤みのさす灰黄だそうですが、染めていく際に含まれる鉄分の作用により、黄褐色(明るい黄に近い褐色)ともなり赤褐色(赤みがかった褐色)ともなります。ここで思い出してみてください。

ミャンマーの僧侶

ミャンマーの僧侶


現在日本の僧侶が身につけている袈裟にも様々な色味がありますが、基本は褐色であるとされています。
また南方仏教の僧侶が身にまとう袈裟として、明るい黄褐色の袈裟をつけるタイの僧侶や赤褐色の袈裟をまとうミャンマーやチベットの僧侶の姿を思い浮かぶかも知れません。