和尚のひとりごと「伝道掲示板164」

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天候不順、罪びと数知れず、荒れる世の中を統べるには神仏への信仰こそが肝要である。
そう信じて大仏発願を志した聖武天皇の残したことば。

奈良東大寺大仏は毘盧遮那仏、宇宙の根源を体現する仏の真の姿だという。
開眼の導師をつとめたのは、南インド出身の菩提僊那(ぼだいせんな)
天平勝宝4年(752年)4月に「大仏開眼供養会」が盛大に厳修された。

菩提僊那はまた20年以上の長きにわたりこの極東の島国で過ごしたのち
天平宝字4年(760年)2月25日、大安寺にて入滅したと伝えられる。
遥か西方を向き合掌したまま、57歳の生涯を閉じたという。

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聖武天皇の御前にて
右手奥に菩提僊那、手前に行基菩薩