和尚のひとりごと「伝道掲示板425」
”人が欲念を起し、その願望通りになるならば
彼は満足し喜ぶだろう。
人が欲念を起し、その願望通りにならないならば
彼はあたかも矢に射られたかのように苦しむ。
足元の蛇を踏まぬように注意して歩むように
欲望に十分注意しながら欲望を回避する人は
この世で執着を乗り超え、世の煩いを超越する。
もし人が田畑や所有地、黄金や奴隷、使用人や女性たち、親類縁者など
その他さまざまな欲望を追い求めるとき
無力であるかのように見えた欲望が彼に勝ち、彼を踏みにじる。
故に苦しみが彼に付き従うこと
壊れかけた船に水が浸水していくようなものである。
だからこそ人は常に自らの心を気にかけ
それが欲望に染まらぬように回避することである。
船にたまりつつある汚水を汲みだすように
欲望を捨てて、激流を渡り、彼岸に達するのだ。”
『スッタニパータ』