和尚のひとりごと「宗祖(元祖)法然上人御遺訓 一枚起請文5


【原文】
念仏を信(しん)ぜん人(ひと)は、たとい一代(いちだい)の法をよくよく学(がく)すとも、一文不知(いちもんふち)の愚鈍(ぐどん)の身(み)になして、尼入道(あまにゅうどう)の無智(むち)のともがらに同(おな)じうして、智者(ちしゃ)のふるまいをせずしてただ一向(いっこう)に念仏すべし。


【意味】
念仏を信じようとする者は たとえ釈尊が生涯にわたり説かれた教えをよく学んでいたとしても
自らを文字のひとつも理解しない愚か者であると受け止めて
まだ学びの浅い尼僧や仏道を始めたばかりの初学者たちと全く同じように
あたかも智者であるかのような振る舞いをせずに ただひたすらに念仏をするべきなのです。