和尚のひとりごとNo147「六物」
お寺さん(お寺の住職)のお葬儀は、お寺の本堂でされますがその設え(しつらえ)(本堂の飾りつけのこと)は一般の方とほとんど変わりませんが、棺前には、六物(ろくもつ) 法衣(ほうえ) 数珠(じゅず) 錫杖(しゃくじょう) 三部経(さんぶきょう) 伝書(でんしょ) 血脈譜(けつみゃくふ)が備えられていました。
六物とは、僧侶が常に持つべき六種類の生活必需品のことです。
僧伽梨(そうぎゃり) 鬱多羅僧(うったらそう) 安陀会(あんだえ)というお袈裟と鉢(托鉢の時に持っている鉢です)、座具(座る時に下に敷く敷物)、漉水囊(ろくすいのう)(飲み水を漉すための袋で、飲むときに水中の虫を殺さないためのもの)です。
法衣は僧侶が着ている衣です。
三部経は、浄土宗の教えの根本となるお経 無量寿経 観無量寿経 阿弥陀経の三部です。
伝書とは、僧侶が宗派の教えを師匠から伝えられ、弟子に伝える時に使われる書物のことです。
血脈譜(写真では巻物にあたります)とは、お釈迦様の教えが師から弟子に途絶えることなく受け継がれていくことを身体の血管が途切れることなく連なっていくさまを血脈にたとえ、その系図のことです。
備えられている血脈譜の最後には往生された住職の名前が記され、教えを受け継いでいることを表しています。
僧侶の葬儀に参列する事はあまりないかもしれませんが、参列された時の参考にして頂きたいと思います。