伝道掲示板

和尚のひとりごと「伝道掲示板351

ikyouto


”たとえ異なった見解を奉ずる者たちがいても
彼らを恐れてはならぬ。
たとえ彼らがそなたに数多くの災難を及ぼすことが見えても
そなたは彼らには目もくれずに
再び善なるものを求め、もろもろの危難に打ち克て”

智慧第一と称された高弟シャーリプトラ(舎利弗)に告げた釈尊のことば。

和尚のひとりごと「伝道掲示板350

biku

”全ての愛する者との離別
愛おしい対象との別れは
この世の当然の理(ことわり)である。
およそ生じたもの、作られたもので
やがて滅しないものは存在しない。”

仏弟子阿那律尊者(アニルッダ)は
釈尊の臨終に嘆き悲しむ者たちにこのように語った。

和尚のひとりごと「伝道掲示板349

『釈尊の言葉その44』

”アーナンダよ、そなた達はあるいはこのように考えるかも知れない。
「教えを説かれた我らが師は既にこの世を去った。
既にここにはおられないのだ」と。
しかしこのように思ってはならぬ。
かつて私がそなた達に説き示した教え、
心がけるべき生き方、それこそが私がこの世を去ったのちのそなた達の師となるのである。

ではそなたたちに告げよう。
諸々の事象は移ろいゆく慣わしである
怠るな、そして為すべき修行を完成させよ。”

釈尊は息を引き取る直前にこの言葉を残された。

合掌

和尚のひとりごと「伝道掲示板348

『釈尊の言葉その43』

釈尊がクシナガラの地で入滅されたのは、今から2500年ほど前
紀元前5世紀のころであったと伝えられる。
そのとき、サーラ双樹(沙羅双樹)の華は満開に咲き、
白蓮華(曼陀羅華)が天上より降り注いだという。
この奇瑞について釈尊は阿難尊者に述べた。

”これらの奇瑞によって如来が敬われているのではない。
そなたたちが、私が示してきた法にしたがって実践し行動したとき
如来はまさに敬われ、尊重されたことになるのだ。”

合掌

和尚のひとりごと「伝道掲示板347

jibun

”自分を他人の手にゆだねるな
自分を捨てるな”

利益を得るために自分をなおざりにしてはならない。
利益を優先させることは
利益のために自分を他者の手にゆだねることである。

和尚のひとりごと「伝道掲示板346

『釈尊の言葉その41』

『テーラガーター』(長老偈)は仏弟子たちの言葉を集成したもので、その成立は古いとされている。

”愚者は、ゆっくり進めるべきときに、あわてて急ぎ行い
迅速に進めるべきときに、のんびり構えている。
物事をその正しきあり様に従って処理していないが故に
苦しみという結果を受けている。

彼はまた、一切の実現すべき目的を遠ざけていること
あたかも月が半分欠けているが如くである。
そのように周りからの評判も下がり、朋輩もそのもとを去ってゆくだろう。

賢者は、時間をかけて進めるべきときには、そのように行い
迅速に進めるべきときにも、またそのように物事を進めている。
物事をその正しきあり様に従って処理しているが故に
安楽という結果を手にしている。

彼の一切の実現すべき目的は成就するのは、満月の如くである。
そのように福徳とよい評判を得、朋輩との交友も続くであろう”

サンブータ長老の詩偈より

 合掌

和尚のひとりごと「伝道掲示板345

『釈尊の言葉その40』

”修行者は心の内面を静寂に保て。外面に静寂を求めることなかれ。
心の内面が静寂となった人は、とらわれるものが存在しない。
大海の底では波が立たずただ静止しているように、静止して不動であれ。
そのようにして、何ものについても欲念を起こしてはならない”

 合掌

和尚のひとりごと「伝道掲示板344

『釈尊の言葉その39』

”貪りの心は、満足を得たいから
瞋(いきどおり)の心は、満足が得られないから
愚かさは不浄なる思考から生まれる。

貪りは罪の度合いが少ないが、それから離れるのは容易ではない。
瞋は罪の度合いが大きいが、それから離れるのはたやすい。
愚かさは罪の度合いも大きい上に、それから離れることも容易ではない。

そうした中で、自分の気に入るものを見知った場合には
それについて正しい思いを凝らし、
もし気に入らないものを見た場合には、悲しみの心を育て
常に正しい留意して、貪瞋痴という煩悩の炎を消さねばならない”

貪・瞋・痴は人間の心が宿す最も根本的な煩悩であるという。

 合掌

和尚のひとりごと「伝道掲示板343

『釈尊の言葉その39』

”女性の求めるのは男性であり
その心は装飾品や化粧品であり
その心のよりどころは子供であり
その執着は夫の独占につながり
究極の目的は支配権である”

釈尊の言葉には、かくも辛辣な内容も残されている。
とはいえ、心の浄化・向上という観点で
恐らく宗教史上、初めて女性に男性と同じように平等で自由な機会を与えたのは
他ならぬブッダではなかっただろうか?

このような言葉も残されている。
”女性のなかには男性よりも勝れて善良な人がいる。
智慧もあり、高き人徳をそなえ、夫の母親を敬い、清らかな心根を持つ
このような女性には、将来国王として国を治めることができるような
立派な息子も生まれるだろう”

 合掌

和尚のひとりごと「伝道掲示板342

『釈尊の言葉その38』

”怨みが怨みをもって静まることはない。
怨みは捨ててこそ静まる。
これは永遠のことわりである”
『法句経』

「憎悪は憎悪によって止むことなく、愛によって止む」

第二次大戦後、サンフランシスコ講和会議において
スリランカ代表として出席したジャヤワルダナ氏によって引用されたのは
東方の聖書と称された『法句経(ダンマパダ)』の一節であった。
スリランカはこの会議において、敗戦国日本に対する賠償請求権の放棄を宣言した。

 合掌