伝道掲示板
和尚のひとりごと「伝道掲示板104」
諸行無常(しょぎょうむじょう)
是生滅法(ぜしょうめっぽう)
生滅滅已(しょうめつめっき)
寂滅為楽(じゃくめついらく)
諸行無常は仏教の旗印、三法印に数えられるこの世の実相を表した言葉。
諸々の因縁によって仮に現れているこの世界
生じては滅し、また生じる
これらが静まる境地こそが安楽である。
雪山(ヒマラヤ山)で修行していた雪山童子(せっせんどうじ)は
この偈の前半を唱える羅刹の声を聞き
後半の句を聞きたいがために自らの身を食らわせる覚悟をする。
聞き終わったあと、崖の上から身を投じると羅刹はとたんにインドラ(帝釈天)に身を変じ、童子を抱きとめたという。
雪山童子は前世の釈尊であったと結ばれている。
施身聞偈図(法隆寺に伝わる玉虫厨子)
和尚のひとりごと「伝道掲示板98」
「我深く汝等(なんだち)を敬う、敢(あえ)て軽慢(きょうまん)せず。所以(ゆえん)は何(いか)ん、汝等皆菩薩の道(どう)を行じて、当(まさ)に作仏することを得べしと」
(常不軽菩薩 じょうふぎょうぼさつの言葉『妙法蓮華経』より)
礼拝の意味
それは自分より偉い者にひれ伏すことだけではない
目の前に現れるすべての存在がいずれは菩薩業を完成し仏となることを予感して、心から恭敬することである
この精神を受けた宮沢賢治はこう残している
雨ニモマケズ
風ニモマケズ…
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩
(インターネットの図書館、青空文庫より)
柴又帝釈天の法華経説話彫刻より