和尚のひとりごとNo110「鎮西忌」

 

2月の行事は、一般的には、2月3日の節分 2月14日のバレンタイン、仏教徒には、2月15日の涅槃会。涅槃会というのは、簡単に説明すると、お釈迦さまのご命日の年忌法要です。涅槃会については、和尚のひとりごとNo41をご覧下さい。

 

そして、私達浄土宗檀信徒には、鎮西忌(ちんぜいき)があります。

鎮西忌は、浄土宗第二祖(二代目)の聖光房弁長上人(しょうこうぼうべんちょうしょうにん)の年忌法要です。

鎮西とは、九州の別称であり、平安時代末から鎌倉時代にかけて九州のことを鎮西と呼ばれていたことにはじまります。

聖光房弁長上人は鎌倉時代の人で九州を中心に活躍されていたことから、鎮西上人と呼ばれています。そして、上人の忌日法要を鎮西忌と呼んでいます。

 

平成29年2月現在 知恩院の御影堂は改修工事中で仮の御影堂にてお勤めされておられ、

仮の御影堂には三上人のお像がお祀りされています。

真ん中のお像が、法然上人。法然上人に向かって右側にお祀りされているのは知恩院第二世の源智上人。そして、左側にお祀りされているのが聖光房弁長上人です。

 

余談ではありますが、現在の浄土宗は大きく分けますと、二つに分かれます。

浄土宗を開かれたのは法然上人ですが、その跡(あと)を継がれた方によって分かれています。

一つは、私たちの聖光房弁長上人を二代目とする知恩院を本山とする浄土宗。

もう一つは、証空上人を二代目とする浄土宗。

私たちは「鎮西派」、証空上人を二代目する浄土宗は「西山派」(せいざんは)と呼ばれています。