和尚のひとりごとNo120「願うこころは道をつくる」

 

 初夢は「一富士・二鷹・三茄子」と新年を迎え、見ると縁起が良い夢として伝えられています。起源や言い伝えには諸説有るようですが、平穏無事(富士)に、高い志をもって運気上昇(鷹)、怪我無く物事が成せるように(茄子)と、一年を迎えるにあたっての願いが込められております。今も昔も変わらぬ、我々人間の願いであります。出来るだけ万事無事に、運気も高まり、物事が達成出来れば言う事ないのであります。しかし、なかなか上手くいかないのがこの世の中。我々人間の願いとは裏腹に、思い通りいかない無常の世の中であります。

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 そんな思い通りにいかない苦しみの世の中を見られ、悲しみに暮れる我々人間の為に生きる希望の道筋をお立てになってくださったのが阿弥陀如来様であります。悩み苦しむ人々をなんとか救ってやりたい、救わせてくれと願われご修行されて、仏となられたのが阿弥陀如来様。仏となられた阿弥陀様の名を呼べば必ず救ってくださる。

その救いの先、救いの場所が西方極楽浄土であります。この世の中の一番の悩み苦しみである「死」を先に解決してくださっているのが南無阿弥陀仏のお念仏であります。お念仏の御教えは、「死」の苦しみを解決してくださっていると共に、先に亡くなられた方とまた会えるという再会の場所を作ってくださったのであります。

 

 

 

平穏無事に、高い志をもって、怪我なく物事を成していける様にと願いつつ、この世を生き切った先には阿弥陀如来様の居られる西方極楽浄土がある。何かと上手くいかない世の中にあっても、死んで終わりではない事、亡き人ともまた会えるという再会の場所がある事が生きがいになって参ります。その生きがいをもって、今年一年も共々に南無阿弥陀仏とお念仏を申して過ごしてくださいます様にお願い申し上げます。 合掌