Monthly Archives: 10月 2020

和尚のひとりごと「伝道掲示板148」

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“信とは心をして澄浄ならしむ”
信は心を浄らかならしむる因である。

”澄浄の水、影、万像(まんぞう)を落す”
空海『秘密曼荼羅十住心論』

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慈尊院の弥勒仏
Twitterより引用させて頂きました

 

和尚のひとりごとNo364「御法語第三十一」 

勧進行者(かんじんぎょうじゃ)

~他を謗ることなく 念仏者を助け 自身は念仏に専念せよ~

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【原文】

念仏の行を信ぜざらん人に会いて、御物語り候わざれ。いかに況や宗論候うべからず。強ちに異解異学の人を見て、これを侮(あなず)り、謗(そし)ること候うべからず。いよいよ重き罪人になさん事。不便(ふびん)に候うべし。

極楽を願い、念仏を申さん人をば、塵刹(じんせつ)の外(ほか)なりとも、父母(ぶも)の慈悲に劣らず思(おぼ)し食(め)すべきなり。今生(こんじょう)の財宝乏(とも)しからん人をば、力を加えさせ給うべし。もし少しも念仏に心をかけ候(そうら)わん人をば、いよいよ御勧(おんすす)め候うべし。これも弥陀如来の本願の宮使(みやづか)いと思し食し候べし。

勅伝第25巻

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【ことばの説明】

 

宗論(しゅうろん)
仏教においては、拠って立つ教義やその解釈についての議論を戦わせる事。法論に同じ。
その目的は仏教を説いた釈尊の真意を明らかにする事であるが、もしそれがおのれの立場を正当化する事に終始するならば仏教で否定する我執に他らない。

異解異学(いげいがく)の人
自分の立場とは相いれない見解を持った人々、学派。

不便(ふびん)
あるいは「不憫・不愍」
都合の悪いこと。気の毒な様子、かわそうなこと。

塵刹(じんせつ)
無数の国土の意味。塵は数が多いことをちりに譬えていう。刹は梵語クシェートラの音写で国土・世界の意味。

今生(こんじょう)
今現に生きているこの間、つまり現世のこと。

 

【現代語訳】

念仏の行を信じていない人に出会ったときには、(念仏について)話し込むことのない様にしなければなりません。ましてや他宗・他流の人々と教義について相争い、その優劣を競うなどはしてはなりません。また自分とは異なる見解を持つ人々を見ることがあっても、むやみやたらとその人々を軽んじ、謗ることはあってはなりません。(そのことによって)相手を今以上に罪重き人にしてしまっては、かえって気の毒なことであります。

極楽浄土を願い、念仏を称える人がいるならば、たとえ無数の国土を越えた彼方の人であっても、あたかも父母の慈愛に劣らぬ思いを持つべきであります。もしこの私たちの生きる現世において、財乏しき念仏者がいたら、支援するようにして下さい。またもしほんのわずかでも念仏に心を寄せる人がいたら、今以上に念仏に励む様に勧めてあげて下さい。これもまた阿弥陀如来が示して下さった本願に対する、宮使いのご奉仕の如きものであると考えて下さい。

私たちにとり何が最も大切なことか。それは御念仏を称えることである。浄土を想い、阿弥陀如来への信心を深めることである。

合掌

和尚のひとりごと「伝道掲示板147」

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生を明らめ死を明らむるは仏家一大事因縁なり
仏法に一途であった道元禅師のことば

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禅師ゆかりの天竜禅寺

和尚のひとりごと「伝道掲示板146」

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芬陀利華はプンダリーカの音写で白蓮華(びゃくれんげ)のこと
念仏者をもっとも高貴な蓮華に譬える。

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白蓮華

和尚のひとりごと「伝道掲示板145」

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懺悔は「忍」の意味を持っていたという。
『四分律』は釈尊以来の出家者の規範。

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山岳信仰の里奈良県吉野

和尚のひとりごと「伝道掲示板144」

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山田無文老師は、若き日にチベット探検家で有名な河口慧海師に師事、
天龍寺雲水を経て花園大学学長や妙心寺派管長も務めた。

仏教の本来を真摯に歩まんとする仏法者の言葉は誠に手厳しい。
“緋の衣に金襴の袈裟をかけ、ゾロゾロ並んでお経を読む、それだけやないか。
ありゃ花魁道中や。私はそういっとる。仏教やない”

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和尚のひとりごと「伝道掲示板143」

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文明とは、電灯のつくことでもない。飛行機のあることでもない。原子爆弾を製造することでもない。文明とは、人を殺さぬことであり、物を壊さぬことであり、戦争をしないことであり、相互に敬うことである。

日蓮宗の僧だが、各宗の学林で学び、のちには不殺生、非武装、核廃絶を訴えて、平和運動を展開
世界各地に白亜の仏塔(日本山妙法寺)を建立、行動力の人。

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和尚のひとりごと「伝道掲示板143」

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清水寺の中興の祖とも仰がれる大西良慶師は明治8年の生まれ、
興福寺にて法相唯識を学び、のちに清水寺を北法相宗として独立させた。
日本で最長寿の高僧としても知られた。

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和尚のひとりごと「伝道掲示板141」

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浄土宗の学僧袋中良定上人が寛永16年(1639)入寂の前日に残したと伝えられる辞世の句。
“明に渡って未だ見ぬ仏法を学びたい”
一心の思いで海に出た若き日の袋中上人であったが、ついに大陸への上陸は果たせず琉球国にとどまった。
時の琉球国王である尚寧王の帰依を受け、かの地に念仏を流通させたと伝えられる。

06circd022c-0009 (1) 袋中上人は沖縄に伝わるエイサーのルーツをつくったとも言われる。
那覇市松山町松山公園内の桂林寺址に建てられている記念碑

和尚のひとりごと「伝道掲示板140」

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沙門良寛は江戸後期のひと。
辞世の句として次のことばも伝えられている。
“良寛に 辞世あるかと 人問はば 南無阿弥陀仏と 言ふと答へよ”

尊崇する道元禅師の「春は花夏ほとゝぎす秋は月冬雪さえて冷(すゞ)しかりけり」にちなんで
「形見とて何か残さん春は花山ほととぎす秋はもみぢ葉」と詠んだ良寛の晩年の境地。


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徳川美術館所蔵