和尚のひとりごと「伝道掲示板386」
ビハールの一角にガンジスの支流のひとつバルガ川がある。
かつて尼連禅河(ナイランジャラー河)と呼ばれたこの川の畔の菩提樹の下で
釈尊は降魔成道を成し遂げ、覚った者となった。
釈尊は川を漕ぐ船頭の言葉により苦行から禅定へと歩みを変えたという。
もしそなたの琴の弦が張り過ぎたならば、琴の音色はひびくだろうか?
否
もしそなたの琴の弦が緩すぎたならば、琴の音色はひびくだろうか?
否
もしあなたの琴の弦が張りすぎず、緩すぎず、
丁度よいころ合いで張ってあったならば、琴の音色はひびくだろうか?
仏教の道は、苦行の果てに命終わることを理想とするジャイナ教とは異なり
感官を抑制せず、恣に進む道ともまた異なる。
禅定により万象の真実を見極める道である