伝道掲示板

和尚のひとりごと「伝道掲示板540」

20220106

百の特徴を持ち、百の特相を具えるものがあり
その一部の特徴しか見ない者は、思慮浅はかなる者であり
百の特相を見る者こそ賢者である
『長老偈』スヘーマンタ長老の言葉より

和尚のひとりごと「伝道掲示板539」

20220105

悪を行い、それを隠し
どうか誰にもわたくしのしたことが悟られぬように
と隠し事をする人
このような者が賤しき人であると知れ。

かつて饗しを受けながら、自ら客を招く段になると返礼をせぬ人
このような者が賤しき人であると知れ。

バラモンや道の人、もの乞う人たちに嘘をつき騙す人
このような者が賤しき人であると知れ。

食すべき適切な時間となっても
バラモンや道の人を罵り、食を施さぬ人
このような者が賤しき人であると知れ。

この世の迷妄にどっぷり浸かり、僅かなものを欲しいばかりに
事実に違うことをしゃべる人
このような者が賤しき人であると知れ。

自らを褒め称え、他人を軽蔑し
慢心のあまりに下劣な存在となっている人
このような者が賤しき人であると知れ。
『スッタニパータ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板538」20220104

証人台に立ったときにも
自らの保身の為、誰か他人の為、あるいは財を得る為に
偽りを語ってはばからない人
このような者が賤しき人であると知れ。

ときには暴力によって、ときには互いに愛すことによって
親族や友人の妻と交わる者
このような者が賤しき人であると知れ。

己は豊かな財を持ちながら、年老いた父母を養わぬ人
このような者が賤しき人であると知れ。

血を分けた母、父、兄弟、姉妹または義母を打ち据え
言葉により罵る人
このような者が賤しき人であると知れ。

忠告を求められても、相手の利益を考えず
不利益となることを教え、隠し事をする者
このような者が賤しき人であると知れ。
『スッタニパータ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板537

20220103


”賤しき人とはどのような人でありましょうか?”
火に事えるバーラドヴァーシャ婆羅門に対して釈尊は説かれた。

”怒りやすく、怨みを抱いて、邪悪であり、見せかけにて人を欺いている
誤った見解の持ち主、他人に対して底意ある人
このような者が賤しき人であると知れ。

母親の胎内より生ずる者、卵より生ずる者
およそこの世界の生き物に害を与え、憐れみを持たぬ者
このような者が賤しき人であると知れ。

村落を破壊し、包囲網を張って、圧制者として振る舞う者
このような者が賤しき人であると知れ。

村落にあっても、森にあっても
与えられぬものを他人より奪う者
このような者が賤しき人であると知れ。

実際のところ負債を抱えているにも関わらず
返済を促されると知らぬ顔をして言い逃れをする者
このような者が賤しき人であると知れ。

まことに僅かなものを欲するあまり、道行く人を殺害して
奪い取る者
このような者が賤しき人であると知れ。”
『スッタニパータ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板536

20220102

腹を立てたバラモンがやって来た。
釈尊はこのように仰った。

”汚れなき者、咎なき者を汚すならば
その禍は汚した者自身に返ってくる。
それはあたかも風向きに反して細やかな砂を投げても
それは必ず自分に戻ってくるようなものだ。”

バラモンはそのまま釈迦の教えを聴く者となった。
『相応部経典』婆羅門相応より

和尚のひとりごと「伝道掲示板535

20211231

”破滅の徴候が表れている人はどのように見分けますか?

第一に真理を憎悪する
第二に善良ならざる人の教えに親しむ
第三に惰眠を貪り、人付き合いにうつつを抜かす
第四に能力なりながら年老いた父母を養おうとしない
第五に勤め励む婆羅門、修行者を欺く
第六に富財を独り占めする
第七に生まれのカーストに傲慢となるばかりか、同族の者たちをも蔑む
第八に女に酒に賭博に金を費やす
第九に妻以外の女とも交わる
第十に老年にさしかかりながら魅力ある女を娶り常に嫉妬の念に苛まれる
第十一に酒乱、禁治産者のような社会的能力に劣ることをよしとする
第十二に王族出でありながら果てしなき欲望にかられ、さらなる権力を求める

このような者どもが破滅へと向かう道すがらにある
そのように観察するならば正智へと至るであろう。”
『スッタニパータ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板534

20211230

”行いがのちに後悔の念を引き起こし
泣きながらその報いを受けざるを得ないならば
その行いは善くないのである。

行いがのちに後悔の念を引き起こさず
喜びの中でその報いを受けるならば
その行いは善いのである。”
『ウダーナヴァルガ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板533

20211229

あるバラモンは釈尊のもとにやって来ると罵詈雑言を浴びせた。
釈尊が云わく。
”あなたの家に客が来て食事を供する。
だがもし客が食事を受けなかったら
その食は誰のものだろうか?”

バラモンが答えて云わく。
”もちろん、主人のものである”

”バラモンよ
では、わたくしはそなたの罵りを受け取らない。
さすればあなたの言った罵りの言葉は
あなた自身のものとなる”
『相応部経典』婆羅門相応より

和尚のひとりごと「伝道掲示板532

20211228

”あなたには悩みもなく
また喜びもないのですか?
あなたに不快なる思いがよぎることはないのですか?”

釈尊が天の子に答えて云く。
”わたくしは悩むこともなければ
また喜びもない
不快に襲われることもない。

悩みが生じるならば
その悩みを滅することにより喜びが生じる。
喜びが生じた者に
その喜びが滅したときに悩みが生じるからである。”
『相応部経典』天子相応より

和尚のひとりごと「伝道掲示板531

20211227

”この世は浄らかである見なし
自らの感覚器官を抑えずに
食の節度を守らず
怠け勤めぬ者は
やがて悪魔に打ちひしがれる
弱き樹が風に吹き倒されるように。

この世は浄らかではないと見なし
自らの感覚器官を抑え
食の節度を知り
信念に基づき、勤め励む者は
決して悪魔に打ちひしがれない
岩山が風に揺らぐことがないように。”
『ダンマパダ』より