伝道掲示板

和尚のひとりごと「伝道掲示板510」

20211203

”比丘らよ
ここに賢い牛飼いがいた。
彼は此方(こちら)岸とあちら岸をよく観察して
よい渡し場を見つけてそこで牛たちを渡した。
まず彼は最も強い牛たちを渡し
次に比較的強く、よく馴らされた牛たちを渡し
最後にか弱き子牛たちを渡した。
子牛たちは母牛に励まされて、皆無事に向こう岸に渡ることができた。”
『中部経典』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板509」

20211202

”比丘らよ
ある愚かな牛飼いは
牛の群れを引き連れてガンジス河を渡らんとした。
此方(こちら)岸も、あちら岸もよく見もせずに
ただ闇雲に。
彼は渡し場とは異なる岸辺で牛たちを渡そうと試みたのだが
ついに河の中ほどで牛たちを溺れさせてしまった。”
『中部経典』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板508」

20211130


”健康は最上の利得であり
満足は最大の財産である。
信頼は最高の知己であり
寂静(ニッバーナ)は最上の安楽である。”
『ダンマパダ』より

人は身体の健やかさと
心が満たされることを望み
満足を求める。
その中でも真の満足は
欲望の静まった涅槃の境地にある

和尚のひとりごと「伝道掲示板507」

20211129

”孤独のなかで梵行に勤しんでいたときには
彼は賢者である、と称賛され
のち淫欲にふけるようになれば
自ら愚者となって悩むようになる。

聖者はこのように災いあることをよく知り
淫欲の交わりにふけってはならぬ。

俗事を離れ孤独であれ
これこそが聖者にとって最上のことである。
またここに留まってはならぬ。
彼はただ真の安らぎに一歩近づいたのみであるから。”
『スッタニパータ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板506」

20211128

”かつて私は生まれと財と威勢を誇り傲慢であった。
身体の容色と容貌とを誇りに思っていた。
誰であれ、自分と等しい者、より勝れた者はおらず
傲り高ぶりに打ち負かされた愚かなる者としてあった。
母でさえ、父でさえ、師として仰がれる人々でさえ
敬いをもたず、礼節を欠いていた。
ところがこの上ない導きの人、最も巧みなる御者であるブッダを見て
また太陽の如く輝ける修行者たちを見て
慮りを捨てて、憍慢を捨てて、真に浄らかなる心をもって
ブッダに頭を垂れたのであった。
あらゆる高慢、増長の心と蔑む心は捨て去られ
修行は成し遂げられた。
もはや「私は存在するのだ」との思いは絶たれ、思い悩むこともない。”
『長老偈』ジェンタ・プローヒタプッタ長老のことばより

和尚のひとりごと「伝道掲示板505」20271127”他者に従うのは苦痛であろう。
自分が思う通りに行動できる人間であること、これこそまことの楽しみである。
他者と同じものを共有しなければならぬ時、人は煩いを感じるものだ。
束縛を撥ね退けることは難しい。”
『ウダーナヴァルガ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板504

20211126

”愛おしく喜ばしい五つの感覚の対象を捨て
信念をもって家を出て、苦しみに終わりを告げる者となれ。
善き友と交わり、人里離れた静かな処にて寝起きし
食べるものに節度を知れ。
身にまとうものと、施しの食と、わずかな特別な品と、寝起きする場所
こういったものに対して欲を起こしてはならぬ。
生活の戒めに準じ、五つの感覚器官を抑制し、自分自身の身体を観察せよ。
心より世界を厭い嫌う者となれ。
愛欲があればすべて浄らかに見える。
そのような外見から離れて、それは浄らかならざるものであると観察して
静かに精神を統一せよ。”
『スッタニパータ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板503

20211124

”他人の過失を見ることを止めよ
他人がしたこと、しなかったことを見るのを止めよ
ただ自分自身がしたこと、しなかったことだけを見るようにせよ

たとえ艶やかであっても
香りのない花の如く
素晴らしい言葉を述べながら
それを実行しない人の言葉は

艶やかであり香り高き花の如く
素晴らしい言葉を述べ
それを実行する人の言葉は”
『ダンマパダ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板502

20211123

”恥じる必要がないことを恥じて
恥ずべきことを恥じない人
恐れる必要がないことを恐れ
恐れるべきことを恐れない人
それら邪な見解を持つに至った人々は
地獄へと堕ちるだろう”
『ウダーナヴァルガ』より

和尚のひとりごと「伝道掲示板501

20211122


”全ての罪を犯さぬこと
善きことがらを具えること
自分の心を浄めること
このように諸々の仏たちは教えた。”
『ダンマパダ』より