伝道掲示板

和尚のひとりごと「伝道掲示板361

itutu


”在家の居士たちよ
破戒の報いというのは実に次の五つの禍が数えられる。
まず第一に、彼は財産を失うだろう。
第二に、世間より悪評が立つだろう。
第三に、人と会う機会を持つたびに、自信を持てず不安な気持ちになるだろう。
第四に、死に際には心が乱れ、錯乱することだろう。
第五に、死後には、悪しき地獄の境涯へと堕ちることであろう。”

居士とは在家でありながら、戒を保ち、禅定修行に長けた者たちの事である。

和尚のひとりごと「伝道掲示板360

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”「ここはあまりに寒い」
「これでは暑すぎる」
「既に夕刻であり、時既に遅すぎる」
そのように若者がすべき事柄を放棄し続けるならば
時間は実にむなしく過ぎ去ってゆくだろう。

彼がまたそのような事に煩わされずに、気にも留めないならば
人として為すべき事柄を行い、結果として安楽の境地を得られるだろう。”

マータンガプッタ長老の詩偈より

和尚のひとりごと「伝道掲示板359

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法による勝利とは何か?
”古の神々は戦いに明け暮れていた。
ある時、戦いに劣勢であった帝釈天は
阿修羅の手を逃れて敗走していた。
すると行く手に鳥の巣がある。
鳥の巣を壊してしまう事を避けようと
帝釈天は自らの命が失われることをも恐れずに進軍を断念して引き返した。
結果的には帝釈天は勝利を治めたという。
これこそが「法による勝利」であると言われる。”

釈尊はこのように弟子たちに語った。

和尚のひとりごと「伝道掲示板358

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”器に入れられた水が沸き立っていれば
その水面に自らの顔をありのままに映すことは困難であろう。
同様に、人の心が瞋恚(いかり)に曇らされていれば
ありのままの姿を見ることはし難い。

また水面に苔が浮かび、浮草があれば
自らの顔をそのありのままに映すことは難しい。
同様に、人の心が愚かさや疑いで満たされていれば
物事をその姿のままに見ることはし難い。”

和尚のひとりごと「伝道掲示板357

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”婆羅門が問うて云わく。
時に心は澄み渡り
学んだことも実によく理解できている。
しかし時には心が混迷し
何一つ理解できない事がある。
これはどういうことであろうか?

釈尊は答えて云わく。
ここに水を湛えた器があるとしよう。
それが赤や青色に染まっていたら
その水面に自らの顔をそのありのままに映すことは難しいだろう。
同様に、心が欲によって濁らされている時には
ありのままに映らないのである

和尚のひとりごと「伝道掲示板356

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”不運に遇った為でもなく、恥知らずであった為でもなく、気まぐれの為でもない。
親族より追放の憂き目にあった為でもなく、また生計を立てる為でもない。
他ならぬ”心”の求めに応じて、私は出家したのである。

「欲が少ないこと、隠し立てをしないこと、苦しみを鎮め止めること」
これらかつて正しい人によって称賛された事柄を示した
その”心”に従って私は出家したのである。”

ターラプタ長老残した言葉より

和尚のひとりごと「伝道掲示板355

karada

”肉と筋とで縫い合わされた骸骨の小舎、そして悪臭を放つこの身体はじつに厭わしきものである。
皮に覆われただけの袋、この不浄なるものを
清らかさを求める修行者は常に注意深くそれを避けるであろう。”

マハー・モッガッラーナ長老(摩訶目犍連 まかもっけんれん)は舎利弗と並ぶ二大弟子。
その言葉として残されている。

和尚のひとりごと「伝道掲示板354

tuneni

釈尊はシャーリプトラに告げた。
”常に眼を下に向けて、うろつき回るな。
瞑想に専念し、眼を覚まして、
心は平静に保ち、精神を安定させて、
思い煩いと欲望と悔恨を根絶やしにせよ。

他人より忠告を受けた際には、落ち着いて感謝の念を持て。
共に道を歩む者たちに対して荒(すさ)んだ心を持ってはならない。
善い言葉を発し、その場に相応しくない言葉を慎め。
他人を謗(そし)る気持ちを持ってはならない。

世間には五つの塵芥(ちりあくた)が存在する。
すなわち眼に見える色形と、耳に聞こえる音声と
舌で感じる味と、香りと触れられる対象である。
これらに対する貪りを抑えて、よく制するように。

修行者たる者は、よく注意してこれらの対象に対する欲を抑え
とらわれの無い自由な心を持て。
適切なときに物事の道理を正しく心に刻み
精神を統一して、暗愚を滅ぼすようにせよ。”

和尚のひとりごと「伝道掲示板353

ienaki

釈尊がシャーリプトラに告げた言葉。
”智慧を第一に重んじて、善きことに喜びを感じて
目の前の危難に打ち克て。
僻地に住まうことの不快に耐え
次の四種の憂うべき事柄によく耐え忍べ。

「さて、何を食べようか」
「どこで食べようか」
「昨晩は眠りつけなかったな」
「今晩はどこで寝ようか..」
そなたは家を捨てた者である。
これらの思いを抑制し克服すべきである。

適度なときに食物と衣服を得て
少ない食物と衣服とで満足して節度を知る。
衣食に対して恣(ほしい)ままならず
村落にあっては慎み深くあり
たとえ罵られても荒々しい言葉で返してはならない。”

和尚のひとりごと「伝道掲示板352

 kokoro

釈尊はシャーリプトラに告げた。
”病に罹(かか)り、飢えに苛まれても、寒さや暑さに襲われても
今や「家なき人」となったそなたは耐え忍ぶべきである。
勇気をもって、確かなる努力をして進むべきである。

盗んではならぬ、嘘を吐いてはならぬ
弱き者、強き者、およそ全ての生きとし生ける存在に対して慈しみを持て
自らの心に混濁を生じるときは、それは悪魔の一味であると思って
これを斥けよ。

自らの心に生ずる怒りや高ぶりの心に負けるな。
それらをその根元から抜きされ。
快きもの、不快なもの、その両者に打ち克て。”