No496「伝道掲示板262」 2021年2月20日 和尚のひとりごと「伝道掲示板262」 出典は『四分律刪繁補闕行事鈔』『四分律行事鈔』と同じく唐の道宣の手に成る。法蔵部が伝承した律典である『四分律』に基づき僧衆の生活規範を示したもの。 あたかも西方浄土にあるという八つの功徳のある水が、衆生の塵・垢を洗い浄めるように自らの掌の垢を香水によって洗い落とし、また心も染まらぬようにし禁戒をよく保ち、犯すことなく、全ての衆生もまたかくの如くでありますように.. 合掌
No495「伝道掲示板261」 2021年2月19日 和尚のひとりごと「伝道掲示板261」 魔力怨を降伏し、結(煩悩)を除き尽くして余り無し露地に犍稚(参集の合図)を打たん菩薩聞いて集まるべし諸々の聞法人が生死海を流れ渡らんとねがわば此の妙なる響音を聞き、ことごとく此処に雲集すべし 我が宗の法式(僧侶の威儀作法)は道宣(南山律師)の著した『四分律行事鈔』に依るところが大きい。この偈文は道場に入る前に唱える偈文で、出典とされる『増一阿含経』によれば合図の音を聞いて集まるのは「比丘」である。五重相伝の要偈道場や正授戒の際に、喚鐘を打った後、これを唱えるとされている。 合掌
No494「伝道掲示板260」 2021年2月18日 和尚のひとりごと「伝道掲示板260」 法要が終わったのちにこの偈文を唱えて袈裟を外す。「三帰礼」に含まれ、出典は善導大師の『往生礼讃』より。「僧」とは僧伽(サンガ)つまり和合僧を意味する。争い・論争を止めて和合僧の集いに帰依し、和合して一味となっている大海のような集いに入り、諸々の衆生と共に、無量寿国に往生する事を願おう.. 合掌
No493「伝道掲示板259」 2021年2月17日 和尚のひとりごと「伝道掲示板259」 『四分律行事鈔』より 散華によって道場を荘厳し供養する際に唱える。 華を散らして浄らかなる光明を荘厳し荘厳宝華をもって帳となしもろもろの宝華を遍く十方に散らして一切の諸々の如来を供養せん.. 合掌
No492「伝道掲示板258」 2021年2月16日 和尚のひとりごと「伝道掲示板258」 善導大師『法事讃』より。 四方を浄める為に洒水(しゃすい)作法を行う際に唱える。道場を洒水で浄め、結界し、四隅に四天王を安置して、仏敵たる諸悪を退散させる。 四天王を請い奉る。直ちにこの道場中に入らんことを。師子王を請い奉る。師子にまた逢うは難し。身毛衣を奮迅せば、衆魔は退散し去るべし。頭廻して法師を廻わば、ただちに涅槃城を取すべし.. 獅子の王者に喩えられるのは仏、四天王と仏を招き諸々の悪魔を斥け、いよいよ道場の荘厳が極まる。 合掌
No490「伝道掲示板257」 2021年2月14日 和尚のひとりごと「伝道掲示板257」 (書き下し文)仏この夜滅度し給うこと、薪尽きて火の滅するがごとし諸々の舎利を分布して、しこうして無量塔を起つ 亡者を荼毘に付したのちその遺骨を拾う際に唱える。または「降魔偈」がそれに代わる。出典『法華経』では釈尊滅後にその骨を分骨して、その仏舎利を祀る数多くの仏塔が建てられたと記す。『大般涅槃経』によれば、釈尊の遺骨は八つに分配されて八大仏塔が建立されたとする。生前の偉大な教師に再び相見える事を願い、多くの仏教徒がそこを訪れた。私たちはそれに倣い、遺骨を祀り、亡きあとに偲ぶ大切なよすがとする。 合掌
No489「伝道掲示板256」 2021年2月13日 和尚のひとりごと「伝道掲示板256」 如来本誓(にょらいほんぜい) 一毫無謬(いちごうむびゅう) 願仏決定(がんぶつけつじょう) 引接精霊(いんじょうしょうれい) 源信僧都『往生要集』中の臨終行儀では、「我を引摂し給え」としていると言う。迎接式(こうしょうしき 出棺式)に際に唱える。 (意味)弥陀が誓われた誓願に一切の誤りはないどうか必ず亡者を浄土へ迎えて頂きますように 合掌
No488「伝道掲示板255」 2021年2月12日 和尚のひとりごと「伝道掲示板255」 阿弥陀如来おわします安養極楽世界に救い取って頂き菩提正覚(正しく完全な悟り)が自らのものとなるように 新亡納棺の際の偈文。納棺が済んだら一唱一下の念仏を止め、この偈文を三唱後、十念を唱える。 合掌
No487「伝道掲示板254」 2021年2月11日 和尚のひとりごと「伝道掲示板254」 『授菩薩戒儀』より。帰敬式、得度式、剃度式など様々な場面で唱えられ、枕経では新亡に授与する形をとる。 「三帰」とは三宝への帰依の表明。「三竟」はその帰依が終わったことを表わす。古来より仏・法・僧の三つの宝への帰依は仏教徒となる事の表明であり、ことある毎に唱えられてきた。ここで”尽未来際”は未来永劫にわたってのものである事を示す。古来、正式な仏教信者となるには、この三帰依を三度唱えることで事足りたと言われている。 合掌
No485「伝道掲示板253」 2021年2月9日 和尚のひとりごと「伝道掲示板253」 『華厳経』より。 (意味)髪と髭を剃り落したならば衆生は皆、煩悩を除き、寂滅の境地に達するかくの如く願え 剃度作法の中で、報恩偈のあと、いよいよ髪を剃る際に唱える。髪や髭を俗人の煩悩に喩え、それを除くことに俗世間を離れてゆく姿を象徴させる。剃髪は、釈尊が他の修行者との区別化を図る目的で仏教沙門(釈子)は髪を剃るべしと定められて以来の伝統である。 合掌