和尚のひとりごと「伝道掲示板135」

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仏教は唯心を説く。
この世の森羅万象はただただ夢の如きものに過ぎないと..

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和尚のひとりごとNo349 ほっと一息

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本日 9月25日は彼岸明けとなります。
気づけばお寺の庭の彼岸花が咲いていました。
何かと慌ただしい世相ですが、心和む一コマでした。

合掌

 

 

和尚のひとりごとNo348「法然上人御法語第三十」

前編 第30 一期勧化(いちごかんげ)

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~念仏の声するところ、皆わが遺跡となるべし~

【原文】

法蓮房(ほうれんぼう)申(もう)さく、「古来(こらい)の先徳(せんとく)みなその遺跡(ゆいせき)あり。しかるにいま精舎(しょうじゃ)一宇(いち

う)も建立(こんりゅう)なし。御入滅(ごにゅうめつ)の後(のち)、何処(いずく)をもてか御遺跡(ごゆいせき)とすべきや」と。

上人(しょうにん)答(こた)え給(たま)わく、「あとを一廟(いちびょう)に占(し)むれば遺法(ゆいほう)遍(あま)ねからず。予(わ)が遺跡は諸州(しょしゅう)に遍満(へんまん)すべし。ゆえいかんとなれば、念佛(ねんぶつ)の興行(こうぎょう)は、愚老一期(ぐろういちご)の勧化(かんげ)なり。されば念仏を修(しゅ)せん所(ところ)は、貴賤(きせん)を論(ろん)ぜず、海人(かいにん)・漁人(ぎょにん)が苫屋(とまや)までも、みなこれ予(わ)が遺跡なるべし」とぞ仰(おお)せられける。

勅伝第37巻

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【ことばの説明】

法蓮房(ほうれんぼう)

法蓮房信空。久安二年(一一四六)より安貞二年(一二二八)に在世。

法然上人の最初の弟子と言われ、師に常随、門弟の中でも有力な人物。

 

遺跡(ゆいせき)

過去に存在した人物の事績に関連した場所や建物のこと。ここでは特に祖師である法然上人にゆかりの寺院を指す。

 

一廟(いちびょう)

廟は墓所のことで、祖先や祖師、また貴人の霊を祀ってある場所。

 

苫屋(とまや)

とまぶきの粗末な家。

 

 

【現代語訳】

法蓮房信空、法然上人に申すには、

「古来より高徳なる先人たち、皆それぞれの遺跡(ゆいせき)があります。しかしながら未だ師は寺院の一つも建立さておりません。御入滅ののち、残された私たちは一体どこを御遺跡とすべきでありましょうか?」。

法然上人、それに対しお答えになるには、

「遺跡というものをたった一つの墓所に限ってしまえば、残すべき仏法は決して行き渡らないでしょう。私の遺跡はむしろ諸国に万遍なく行き渡ったほうがよい。それは念仏が盛んに行われることは、私が生涯を賭けてきた活動であるから。従って、念仏の声が響くところは、身分の貴賤に関わらず、漁師たちの住む質素な建屋でさえも、皆悉く私の遺跡とすべきなのです」と。

 

 

法然上人がその生涯を賭けて、自ら実践し、広め、人々をそこへ導いた念仏の教え、それはまさに、場所を問わず時を選ばず行える一行です。

そのことを改めて実感させて頂ける御法語であります。

合掌

 

和尚のひとりごと「伝道掲示板134」

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「一切衆生に悉く仏性あり」
涅槃経にはこのように説かれる。
煩悩の穢れは外からやってきたものであり
心の浄らかな本性は決してけがされることはない。
しかしながらその境地に至ることの何と困難なことであろうか?

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大日如来坐像 運慶作

和尚のひとりごと「伝道掲示板133」

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現世は迷いの有漏路より覚りの彼岸へと歩む途上に他ならない
ちょっとそこらでひとやすみ
雨が降ろうが風が吹こうが構うことはない
稀代の禅僧はこれを詠んだが故に一休と呼ばれるようになったという。

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一休禅師ゆかりの寺

和尚のひとりごと「伝道掲示板132」

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アーチャン・チャー(1918年-1992年)は、タイの東北部ウボンラーチャターニー県出身の僧。
上座部仏教に関心を寄せる多くの外国人に門戸を開き、数多くの瞑想寺院を建てた。

アチャン・チャー (1)

アーチャン・チャー

和尚のひとりごと「伝道掲示板131」

9-21T

仏教の目的は己が本来なきものであることを覚ること
無我の教えは必然的に利他のこころへとつながる

伝教大師が開いた京都の北嶺比叡山延暦寺

伝教大師が開いた京都の北嶺比叡山延暦寺

和尚のひとりごと「伝道掲示板130」

9-20tup

迷いは無明(無知)から来るという。
釈尊の覚りは迷いの本源に無明がることの発見であった。

空海のことばが示すのは
覚りはすぐにでも手が届く場所にあるのに
無明の側にいる私たちは遥か昔よりそのことを忘れてしまっているということだろうか?

空海ゆかりの風景 「空海 永坂嘉光の世界」より引用させて頂きました。

空海ゆかりの風景
「空海 永坂嘉光の世界」より引用させて頂きました。

和尚のひとりごと「伝道掲示板129」

9-19tup

言葉に迷い、自ら発した言葉に踊らされているのが私たちの姿かも知れない
有限な概念によって世界を分析することにより果たしてこの世の実相は掴めるだろうか?
戯論の世界から一歩身を引いてみることで答えが見つかるかも知れない

インドのブッダガヤを巡礼するダライラマ

インドのブッダガヤを巡礼するダライラマ

和尚のひとりごと「伝道掲示板128」

9-18

尊者アッサジはバラモンの青年にこのように語った
それを聴いた青年に真理を見る眼が生じたという..
後に智慧第一と称された舎利弗が仏弟子となることを決意した瞬間である。

サンジャヤの弟子だった舎利弗、目連がブッダに帰依したといわれる王舎城 現在のラージギルの風景

サンジャヤの弟子だった舎利弗 目連がブッダに
帰依したといわれる王舎城
現在のラージギルの風景