Monthly Archives: 5月 2022
No966「天国」
Q. 「天国へ行く」、との表現をしがちですが仏教でもつかってよいのですか
ご理解頂きたいのは、「天国」と「極楽」はその意味するところが違うという事です。
仏教が目ざすのは悟りを開くこと、そして極楽世界に行けば仏の導きのもと、悟りへと歩みを進めることができると考えます。私たちが志すのは、阿弥陀如来がおわします西方の極楽と呼ばれる仏国土に往生することです。キリスト教でそう呼んでいる「天国」は、神による最後の審判が下された結果、選ばれた人々がそこに迎えられ、永遠の生を手にすることができる世界です。
極楽と天国はこのように異なりますが、仏教で天の国(天界)と呼ぶときは、人間よりも少しだけ優れていて、比較的恵まれた生活を送れる神様たちの世界を指します。しかしこの天界に生まれても、必ず死を迎え、その次に人間などに生まれ変わるのは難しいとも言われています。あまりに恵まれ過ぎていて、大切なことを考える暇がないのかも知れませんね。
※あくまでも「和尚のひとりごと」の見解です。
No963「地蔵十王経」
Q. 五七日目に閻魔大王の審判が下り、行き先が決定されるのですか?
※最近私は友人宅の五七日に参加した折、葬家の家族にそう伝えてみんなで閻魔大王に極楽往生の陳情を行いました。
A. 人は亡くなってから49日間の間に次の新たな生命を受けると考え
さて私たちになじみ深いお話では、閻魔大王(えんまだいおう)
まず最初の七日間(初七日 しょなのか)には、不動明王が生前の殺生の行いを調べます。
次の二七日(ふたなのか)には、
続く三七日(みなのか)には、
四七日(よなのか)には、
そして五七日(ごしちにち)には、閻魔大王(もしくは地蔵菩薩)
六七日(むなのか)には、
この考え方は仏教の中陰の考え方と中国の道教が習合したもので、
ただしこれらを経験して生還した人はおりませんし、
このような考え方が広く流布した背景には、
さて私たち浄土宗の教えでは、
※あくまでも「和尚のひとりごと」の見解です。
No960「五重相伝Q&A 3」
Q. 五重相伝を創始したのは浄土宗鎮西義白旗派ですか?
A. はいそうです。本来は出家のお坊さんが受けるべきとされた浄土宗の教えの奥義の相承(伝法)を五重相伝という形で確立したのは、浄土宗第七祖であり、私たちがその流れを受け継ぐ浄土宗鎮西義の白旗派の聖冏(しょうげい)上人であると伝えられています。
別の流れではありますが、浄土宗西山派でも教えの相承に五重相伝を用いています。しかし内容は私たちの五重相伝とは異なっています。
※あくまでも「和尚のひとりごと」の見解です。